環境省事業として、化学物質など環境中の有害物が子どもの成長・発達にもたらす影響を明らかにするために、2011年1月から全国で10万人を対象に21年間(調査対象者のリクルート3年、追跡調査13年、解析5年)を費やす全国疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が開始されました。本調査により、胎児期を出発点とした子どもの健康に影響を与える化学物質や生活環境等の環境要因が明らかとなり、胎児や子ども特有の曝露や脆弱性を考慮した適正な環境リスク評価を行うことが可能となることが期待されています。九州大学は調査地区として福岡市東区を担当します。エコチル調査の安定的な実施が本センターの担う役割の一つです。もう一つの大きな役割は、九州大学と九州大学病院の有する研究基盤により、環境要因の疾患に及ぼす影響、疾患発症を導くメカニズムを明らかにすることです。将来的には環境リスクの低減および臨床応用と教育、人材育成等を行い、胎児期から子ども将来的には成人まで一貫した環境と健康に関する課題に取り組むセンターとなることを目的としています。
九州大学環境発達医学研究センター(外部リンク) 實藤雅文特任准教授