トランジショナルケア外来は、成人期に達した小児慢性疾患患者さんの成人科への円滑な移行をサポートすることを目的として、2014年4月に国内で初めての専門外来として開設されました。現在わが国では、過去には治療が困難であった小児期の疾患が医療の進歩によって治療可能となり、成人期以降も継続的に専門的な医療を受けている小児慢性疾患の患者さんが増加しています。成人期に達した小児慢性疾患の患者さんの病気に対する専門的な診療とともに、妊娠出産、職業選択、医療保険への加入、生活習慣病など成人期に特有な社会的な問題にも対処できるように、小児診療科・成人診療科が円滑な診療連携を行うために必要な支援を行います。院内外の診療科・施設への適切な紹介や調整を行うとともに、医療・社会保障制度に基づいた適切な公的支援を受けていただくためのお手伝いをします。また、保護者主体の小児医療から患者さん本人主体の成人医療への移行を促し、患者さんが自立した生活と健康管理ができるよう支援します。成人期に達した小児慢性疾患患者さんが、切れ目のない適切な医療を受けることができる診療体制を目指したいと考えています。