九州大学医学部 小児科 [成長発達医学分野]

研究グループ紹介 神経

私たちは、患児本人とご家族に最良の診療を提供することを目標とします。ですので、こどもの発達過程で起こり得る、全ての疾患が私たちの研究対象です。未知の世界に挑戦する若者の努力は、やがて教室の知見をもう一段高く積み上げた成果となり、本人とご家族にとって、もっと分かりやすい言葉になるでしょう。臨床を起点とした生命科学への挑戦と研究成果を診療として持ちかえる「九大印」のトランスレーショナル医学研究を、未来への歩みとして続けていきます。

1. 小児難治疾患の発症メカニズム

小児難治性疾患の臨床像

2020‐2022厚生労働省
「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査班」分担
2018‐2020 AMED
「川崎病特異物質PAMPsに焦点を当てた川崎病の新規診断法の確立」分担
Nakashima Y, Cardiovasc Res 2019


2016-2019厚生労働省
「神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証研究班」分担
Yamaguchi Y, Neurology 2016

ハイリスク早産児の発達

2001年より新生児グループ、精神科・子どもの心診療部と連携し、早産児の長期発達に関する研究を続けています。
Yasuoka K, J Pediatr 2019
Matsushita Y, J Perinatol 2019
Inoue H, Pediatrics 2018

日本脳炎・ADEM

日本脳炎ワクチンの接種差し控え後、日本脳炎の小児発症数が増加したことを報告しました。
Nanishi E, Clin Infect Dis 2019

自閉症と難治性てんかんの分子メカニズム

患児一人ひとりが異なる症状を示す理由はなぜでしょうか。その理解を通して新たな治療標的を同定することを目指しています。国内外の共同施設とゲノムおよびプロテオーム解析を行っています。
Kinoshita K, Eur J Med Genet 2020
Kurokawa M, Mol Genet Genomic Med 2020
Okuzono S, Brain Dev 2019

2. MRIと脳生理学

小児急性脳症

小児救命救急センターと連携し、けいれん重積後に遅発性の拡散能低下を示す急性脳症(AESD)の臨床像と神経学的予後に関連する臨床パラメーターを研究しています。
Sanefuji M, J Neurol Sci 2018
Ichimiya Y, Epilepsy Res 2018
Lee S, J Neurol Sci 2016

発達障害の病態

アイトラッカー、MRIおよび近赤外線脳機能イメージング法を用いた発達障害児の脳機能の研究を行っています。
Sanefuji M, Sci Rep 2018
Sanefuji M, Cortex 2016

3. 生命倫理学

小児科医による倫理考察

重篤な疾患に罹患した子どもの治療方針を決定する際、小児科医がどのような精神社会的な問題に直面し、葛藤しているのかを構造化しました。
Sasazuki M, BMJ Open 2019

周産期医療

18トリソミーの生命予後を規定する因子として、出生前診断と呼吸器装着の有無が関与することを明らかにしました。
Taira R, Dev Med Child Neurol 2019

酒井康成

研究グループ紹介Clinic & Research group

10の専門グループに分かれて診療・研究を行っています。全ての分野をカバーし、かつ教育にあたっています。

  • 免疫・血管
  • 腫瘍
  • 感染症
  • 循環器
  • 神経
  • 腎
  • 新生児
  • 内分泌・代謝、先天代謝、遺伝
  • 救命救急
  • アレルギー
  • エコチル