九州大学医学部 小児科 [成長発達医学分野]

研究グループ紹介 腎

ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、学校検尿異常、先天性腎尿路奇形(CAKUT)、夜尿症など小児期の腎疾患全般の診療を行っています。当院の特色として小児期発症の慢性腎不全および急性腎不全に対する腎代替療法に力をいれています。他に先天性ネフローゼ症候群、遺伝性腎症、嚢胞腎、ネフロン癆といった遺伝性疾患の診断・管理に加え、NICU survivor・cancer survivorの二次性腎障害についても診療を行っています。

ネフローゼ症候群/慢性糸球体腎炎

小児特発性ネフローゼ症候群、IgA腎症、紫斑病性腎炎といった頻度の高い腎疾患からループス腎炎、C3腎症、aHUSといった希な腎疾患、膠原病および自己炎症性疾患に伴う腎疾患についても研究・診療を行っています。


図1. LPS刺激による単球細胞死の解析.(Imai T, J Allergy Clin Immunol Pract 2020)
SLE、ループス腎炎を呈したHA20患児の血球を用い、LPS刺激による細胞死の程度がCAPSと比較し軽度だが他の
自己炎症性疾患よりも強いことを明らかにしました。HA20患者の迅速診断法として有用な可能性があります。

先天性腎尿路奇形(CAKUT)/排尿障害

水腎症、膀胱尿管逆流症(VUR)、夜尿症といった頻度の高い疾患から、Potter sequence、後部尿道弁、総排泄腔遺残、膀胱外反症、MMIHSといった集学的治療を要する疾患に対し小児外科と連携し診療・研究を行っています。


図2. ムコ多糖症に合併した水腎症.(Nishiyama K, Urology 2017)
ムコ多糖症に対する酵素補充療法開始後に水腎症が改善しました。 PUJSの成因の一つに代謝異常が関与する可能性を示唆しています。

慢性腎不全/急性腎不全

慢性腎不全児の腹膜透析・血液透析導入・維持管理を行っています。急性腎不全に対し救命救急センターおよび腎内科と連携して急性腎不全に対する急性血液浄化療法を行っています。また、腎移植外科と協力し15歳未満の小児腎移植も積極的に行っており、九州の小児腎不全治療の中核施設となっています。



図3. 当院の小児腎移植件数

遺伝性腎疾患/二次性腎障害

先天性ネフローゼ症候群、遺伝性腎症、嚢胞腎、ネフロン癆といった遺伝性疾患の診断・管理に加え、NICU survivor・cancer survivorの二次性腎障害についても診療・研究を行っています。


図4. Pierson症候群患者の消化管造影所見. (Nishiyama K, BMC Med Genet 2020)
先天性ネフローゼ症候群を起こす代表的な疾患で、これまで知られていない消化器合併症を報告しました。

図5. Pierson症候群の胎児エコー所見. (山本, 小児腎不全学会雑誌 2020)
先天性ネフローゼ症候群に特徴的な胎児エコー所見をまとめました。同疾患の胎児診断に有用な可能性があります。

西山慶

研究グループ紹介Clinic & Research group

10の専門グループに分かれて診療・研究を行っています。全ての分野をカバーし、かつ教育にあたっています。

  • 免疫・血管
  • 腫瘍
  • 感染症
  • 循環器
  • 神経
  • 腎
  • 新生児
  • 内分泌・代謝、先天代謝、遺伝
  • 救命救急
  • アレルギー
  • エコチル