先天性の心臓病を持ったお子さんは約100人に1人生まれ、心臓外科手術や管理の進歩により、近年はその95%以上が成人に到達します。そのため、日本国内の成人の先天性心疾患患者さんの数は約50万人に達し、すでに小児の先天性心疾患患者よりもはるかに多くなっています。また、今後も1年間に9000人のペースで増え続けていくと言われています。
手術が終わって自分では治ったと思われている患者さんでも、成人期に不整脈や弁の逆流、心不全などの問題を生じ、それらに対する治療が必要になることがあります。また、このような成人患者さんには小児科の外来・入院設備は似つかわしくなく、就職、結婚、妊娠・出産など、成人期特有の問題も生じ、小児科だけでの対応は難しくなってきます。生活習慣病や悪性腫瘍など、成人期特有の疾患を生じる可能性もあります。
こうした背景を受け、当院では2009年に全国に先駆けて成人先天性心疾患外来を開始しました。循環器内科や他科と連携して、2016年の時点で900人以上の患者さんに対して専門的な診療を行っています。受診を希望される場合は、紹介状をご準備のうえ、予約センターを通じてご連絡下さい。
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成人先天性心疾患へのあらたな取り組み(PDF)
山村健一郎